文字組みアキ量設定の最後[後の文字クラス]に含まれる項目の設定です。
この文字組みアキ量設定も、前章[前の文字クラス]と同じように、組み方向「縦組」、字送り「ベタ」、禁則調整処理「調整量優先」で使用することを前提に設計しています。
【注意】 | 以下の図版で、各項目の詳細がすべて表示されているものは、全体をみるために画像を加工してあります。 |
●全体的な説明
句読点などの一部の例外を除いて[後の文字クラス]は[前の文字クラス]とアキ量をそろえる必要があります。たとえば、後の文字クラスの[始めかぎ括弧」の前のアキは、前の文字クラスの[終わりかぎ括弧]の後ろのアキとそろえなければなりません。
ですので、[区切り約物]以降に設定する仮名や漢字などは、[前の文字クラス]と同じく、最小アキ量を「-5%」にしました。字間調整が必要な場合に、
調整箇所を多くして、できるだけ均等なアキにするためです。
また、[中黒]も[前の文字クラス]と同じく、カタカナを除き、平仮名や漢字などとの最適アキ量を「12.5%(8分アキ)」にしました。
●後の文字クラス【始め括弧類】
上記の「全体的な説明」で説明したように、後の文字クラスの[始め括弧類]は、前の文字クラスの[終わり括弧類」に対応する括弧(「始め括弧」と「終わり括弧」のセットでもちいられる括弧)なので、句読点類を除いて設定をそろえる必要があります。
前の文字クラス[終わり括弧類]で、[終わりかぎ括弧][終わり丸括弧][その他の終わり括弧]にそれぞれ異なる値を設定しているため、それと同じように[始めかぎ括弧][始め丸括弧][その他の始め括弧]も異なる値を設定します。
▶前の文字クラス【終わりかぎ括弧】
後の文字クラス[始めかぎ括弧]は、上記で説明したように句読点類を除き、前の文字クラスの[終わりかぎ括弧」と設定値をそろえます。
▶後の文字クラス【始め丸括弧】
後の文字クラス[始め丸括弧]も、上記で説明したように句読点類を除き、前の文字クラスの[終わり丸括弧」と設定値をそろえます。
▶後の文字クラス【その他の始め括弧】
後の文字クラス[その他の始め括弧]も、上記で説明したように句読点類を除いて、前の文字クラスの[その他の終わり括弧」と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【終わり括弧類】
[終わり括弧類]は、原則的には前の文字クラスの[始め括弧類]にそろえますが、[終わりかぎ括弧][終わり丸括弧][その他の終わり括弧]の句読点類だけは変則的な値を設定します。くわしくは「前の文字クラス→読点類」をご覧ください。
▶後の文字クラス【終わりかぎ括弧類】
前の文字クラスの[読点類]や[句点類]と同じように、句読点と[終わり括弧類]のアキを変則的に設定します。
▶後の文字クラス【終わり丸括弧類】
上記[終わりかぎ括弧類]と同じように[読点類]や[句点類]のアキを変則的に設定します。
▶後の文字クラス【その他の終わり括弧】
上記[終わりかぎ括弧類]と同じように[読点類]や[句点類]のアキを変則的に設定します。
●後の文字クラス【読点類】
あたりまえのことですが、後の文字クラスの[読点類]は、前の文字クラスの[読点類]とは違うアキ量の設定をします。
●後の文字クラス【句点類】
後の文字クラスの[句点類]も、上記[読点類]と同じように、前の文字クラスの[句点類]とは違うアキ量の設定をします。
●後の文字クラス【中点類】
後の文字クラス[中点類]も、前の文字クラス[中点類]と同じように、[中黒]と[コロン類]があります。これらは別々のアキ量を設定します。
▶後の文字クラス【中黒】
後の文字クラス[中黒]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除いて、前の文字クラス
[中黒」のアキ量と設定値をそろえます。
このBOOKHOUSE設定でも、行末に欧文などがきて字間を調整する場合、および両端揃えにする場合、中黒が中央になりません。それを回避する方法は「試作・前の文字クラス→中点類」を参照してください。
▶後の文字クラス【コロン類】
後の文字クラス[コロン類]も、上記「中黒」と同じように句読点類を除き、前の文字クラス[コロン類」のアキ量と設定値をそろえます。
このBOOKHOUSE設定でも、行末に欧文などがきて字間を調整する場合、および両端揃えにする場合、コロンが中央になりません。それを回避する方法は「試作・前の文字クラス→中点類」を参照してください。
●後の文字クラス【区切り約物】
後の文字クラス[区切り約物]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[区切り約物」のアキ量と設定値をそろえます。
デフォルトのアキ量設定をみると、後の文字クラス[区切り約物]の最大アキ量は、多くが「0%」になっています。[区切り約物]は「?」や「!」ですから、たとえば漢字や仮名のあとの「?」が離れていてはおかしいと考えて「0%」に設定したのではないかと思います。
ですが、わたしたちは、字間を広げて調整するときに、漢字や仮名と「?」だけがベタになっているよりも、多少字間を広げたほうがスムーズに読めると考えています。
●後の文字クラス【分離禁止文字】
後の文字クラス[分離禁止文字]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[分離禁止文字」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【行頭禁則和字】
後の文字クラス[行頭禁則和字]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[行頭禁則和字」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【前置省略記号】
後の文字クラス[前置省略記号]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[前置省略記号」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【後置省略記号】
後の文字クラス[後置省略記号]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[後置省略記号」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【和字間隔】
後の文字クラス[和字間隔]は、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[和字間隔」のアキ量と設定値をそろえます。
が、これに関しては、自信がありません。デフォルトのアキ量設定をみると、前の文字クラス[和字間隔]の最大アキ量は、多くが「100%」になっています。後の文字クラス[和字間隔]の最大アキ量は、多くが「0%」です。 なぜ、[和字間隔(全角スペース)]が前にあるか後ろにあるかで、設定値を変えなければならないのか、わたしたちにはわかりませんでした。adobeの技術者はプロフェッショナルなのですから、もしかしたらBOOKHOUSEの設定がまちがっているのかもしれません。
●後の文字クラス【全角数字】
後の文字クラス[全角数字]は、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[全角数字」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【平仮名】
後の文字クラス[平仮名]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラスの[平仮名」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【カタカナ】
後の文字クラス[カタカナ]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[カタカナ」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【上記以外の和字】
後の文字クラス[上記以外の和字]も、上記「始め括弧類」で述べたように句読点類を除き、前の文字クラス[上記以外の和字」のアキ量と設定値をそろえます。
●後の文字クラス【半角数字】
後の文字クラス[半角数字]も、上記「始め括弧類」で述べたように[句読点類]および[前置省略記号]や[後置省略記号]を除き、前の文字クラス[半角数字」のアキ量と設定値をそろえます。半角数字の[前置省略記号]や[後置省略記号]の設定値は、前の文字クラスの[半角数字」と逆になります。
●後の文字クラス【欧文】
後の文字クラス[欧文]も、上記「始め括弧類」で述べたように[句読点類]および[前置省略記号] や[後置省略記号]を除き、前の文字クラス[欧文」のアキ量と設定値をそろえます。欧文の[前置省略記号]や[後置省略記号]の設定値は、前の文字クラスの[欧文」と逆になります。
●後の文字クラス【行末】
後の文字クラス[行末]は、[中黒]も[コロン類]も「12.5%」アキに設定しました。デフォルトは「0%固定」ですが、すこしアキがあったほうが、可読性がいいと思います。
以上で[文字組アキ量設定・試作]の説明は終わりです。
[文字組アキ量設定]で大切なことは、[前の文字クラス]と[後の文字クラス]のアキ量や優先度をそろえるという論理的(数学的)な正確さと、くりかえしになりますが、どれが読みやすいか(美しいか)と判断する感覚を育てることだと思います。