[段落パネル]は[書体→段落]をクリック、またはショートカット【option+command ⌘+t】
で表示します。
[段落パネル]には、アプリケーションデフォルトに設定しておくと便利な機能がたくさんあります。とくに[ぶら下がり方法][禁則処理方法]
[コンポーザー][行送りの基準位置]をアプリケーションデフォルトとして設定しておくと便利です。
●段落パネルの表示切り換え
タブ[段落]の左横にある小さな上下の矢印がならんでいるところ(赤枠内)をクリックすると、クリックするたびに下の図のように文字パネルの表示が変化します。[文字パネル]の場合は、パネルメニューに「パネル項目をすべて表示」という項目があるのですが、[段落パネル]のパネルメニューにはないので、この上下の矢印マークで切り換えます。
なにかの拍子に[段落パネル]が中央や右端のパネルになってしまい、元に戻らなくてあせった、という話も聞きます。覚えておいてください。
●テキスト揃えの設定
右の図の赤枠内でテキストの揃え方を設定することができます。
① 左揃え
② 中央揃え
③ 右揃え
④ 均等配置・最終行左/上揃え
⑤ 均等配置・最終行中央揃え
⑥ 均等配置・最終行右/下揃え
⑦ 両端揃え
⑧ ノド元に向かって整列:左ページは右揃え、右ページは左揃
⑨ ノド元から整列:左ページは左揃え、右ページは右揃え
上記の⑧と⑨は、「左揃え」「右揃え」と似ていますが、改ページなどを挿入して左右のページが入れ替わった場合、ノド元を基準にして揃えかたが変化します。右の図は2ページ目の冒頭に改ページを挿入して、
テキストを3ページに移動させた例です。
段落の最終行、句点のある行をみてください。「ノド元に向かって整列」
を適用した場合、左ページのテキストは右揃えになっていますが、改ページによって右ページに移動したときには、左揃えになります。
ただし、縦組みの場合は、このノド元を基準にした揃え方は意味がありません。
●パネルメニューの表示
[段落パネル]のタブ[段落]の右横にある小さな三角形をクリックすると、[段落パネル]で設定できるパネルメニューが表示されます。
●ぶら下がり方法
[禁則処理]で設定した[ぶら下がり文字(句読点)]の処理方法を、[なし][標準][強制]のなかから選択します。下の図は、行の途中に字間を調整できる約物などがない状態で、禁則調整方法[調整量を優先]に設定した場合の見本です。
① | ぶら下がり方法[なし]は、上の図のように5字目のあとに句読点などがきた場合、句読点をぶら下げずに、5字目を次行におくります。 |
② | ぶら下がり方法[標準]は、5字目のあとに句読点などがきた場合、版面の外にぶら下げて処理します。BOOKHOUSEでは、通常、[標準]に設定しています。 |
③ | ぶら下がり方法[強制]は、4字目のあとに句読点などがきた場合でも、句読点などを版面の外に強制的にぶら下げて処理します。 |
●禁則処理方法
[禁則文字]や[分離禁止文字]の処理方法を、[追い込み優先][追い出し優先][追い出しのみ][調整量を優先]のなかから選択します。
BOOKHOUSEでは、通常、[調整量を優先]に設定しています。
左の図をみてください。いずれも字組アキ量設定は[行末約物半角]です。
左側の図「追い込み優先」は、終わりの括弧のあと(赤いレ点があるところ)が開きすぎています。これでは括弧文が前の文章に続くのか、後ろの文章に続くのかわかりにくく、文章の連続性が途切れてしまいます。
本文の文字組は、流れるように読めることが基本です。
そういう意味では、「追い込み優先」の場合、終わりの括弧の後で一呼吸置いてしまう文字組になっています。
とは言っても、右側の[調整量を優先]の場合は、終わりの括弧のあとが詰まりすぎているとも思いますが。
●分離禁止処理
[禁則処理]で設定した[分離禁止文字]を有効にするかどうかを設定します。通常はチェックを入れておきます。
●自動縦中横
[自動縦中横]を設定していない場合、左の図「自動縦中横OFF」のように洋数字が転倒して表示されます。それを右側の図のように回転させる場合は[自動縦中横」をONにします。
[段落パネル]の[自動縦中横]をクリックすると下の図のような[自動縦中横設定]というダイアログが表示されます。その[連数字]に縦中横にする数字の桁数を入力します。
欧文にも縦中横を設定する場合は、[欧文も含める]にチェックを入れます。
BOOKHOUSEの場合は、通常、組数字は「2桁まで」に、[欧文も含める]はチェックをはずしています。
なお、全ページに[自動縦中横]を設定するのではなく、個々に「縦中横」を設定する場合は、文字パネルの[縦中横」で設定します。
【注意】 | [自動縦中横]を設定しても EPUB には反映されません。EPUB に書き出すときは、縦中横の[文字スタイル]を作成して、縦中横にするすべての文字に適用しておく必要があります。 |
●連数字処理
[連数字処理]は、洋数字や漢数字が行末で2行にわかれてしまう場合、数字全体を次行に送り出して「泣き別れ」を回避する機能です。泣き別れとは、組版ルール上、分離してはいけない単語が途中で次行に送りだされてしまうことをいいます。
上の図をみてください。[連数字処理]にチェックを入れると、中黒が半角になります。これは「JIS X4051」の「日本語文書の組版方法」で「縦書きの小数点は半角幅で書くこと」と定められた規格です。でも、「50・5%」の中黒は、「100・5%」を送り出したため全角以上開いています。
また、図の最後の行にある「万一」も、数字と認識されて送り出されています。「伊丹十三」などの人名も行末に数字の部分がくると送り出されます。
そのため、BOOKHOUSEでは、基本的に[連数字処理]のチェックをはずし、小数点の中黒は「文字スタイル(ベタ)」を作成して適用しています。
●縦組み中の欧文回転
デフォルトでは[縦組み中の欧文回転]にチェックは入っていません。ですので、縦組み中に欧文があると、左の図のように転倒して表示されます。
欧文を縦に組む場合は、[縦組み中の欧文回転]にチェックを入れます。
ただし、左端の図「縦組み中の欧文回転 ON(小文字)」の設定で入力した「Egg」をみればわかるように、欧文の小文字を縦組みにすると字間が不規則にひらいて読みづらくなってしまうので、多くの場合、字間調整をする必要があります。
●全角スペースを行末吸収
左の図のように行末に全角スペースがくるとスペースを版面の外にぶら下げて処理する機能です。InDesignCS3までは、
この機能がなかったので、禁則処理の[ぶら下がり文字]に全角スペースを加えて処理していました。
デフォルトでは、チェックが入っていませんが、アプリケーションデフォルトとしてチェックを入れておきます。
●欧文泣き別れ
欧文は、ハイフネーションで改行するとき以外、単語の途中で改行することはできません。でも[欧文泣き別れ]にチェックを入れると、左の図の下のように単語の途中でも改行されます。あまり使うことのない機能なので、原則的にはデフォルトのままチェックをはずしておきますが、長いURLなどを入力するときに使うと便利です。URLをハイフネーションすると、ハイフンもURLの一部、と誤解される場合があります。
●グリッド揃え
InDesignのテキストフレームには、[プレーンテキストフレーム]と[フレームグリッド]の2種類あります。くわしくは「テキストフレームの種類」を参照してください。
[グリッド揃え]は、[プレーンテキストフレーム]や[フレームグリッド]にテキストを配置するときに、どこを基準に文字を配置するかという位置を設定する機能です。
一般的な単行本の場合、新規にドキュメントを作成すると[フレームグリッド]が作成されて、[グリッド揃え]は自動的に[仮想ボディの中央]に設定されます。[横組み/縦組み文字ツール=T字アイコン]でプレーンテキストフレームを作成した場合は、自動的に「なし」に設定されます。
▶グリッド揃えと行送りの関係
下の図は[フレームグリッド]の設定が、フォントサイズ「24Q」、行送り「36H」の文字組です。
行送りを変えてみました。
① | フレームグリッドの[グリッド揃え]が[仮想ボディの中央]の場合、InDesignは、テキストをグリッドにそろえます。これが[フレームグリッド設定]どおりの文字組です。 |
② | 行送りを「28H」と狭く設定しても、グリッド揃えが[仮想ボディの中央]の場合、InDesignは、 行送りの指定を無視して、グリッドにそろえます。 |
③ | 行送りを「37H」と[フレームグリッド設定]の行送り「36H」よりも広く設定した場合、InDe signは、1行あけて強制的にテキストをグリッドにそろえます。 |
④ | [グリッド揃え]を[なし]に設定して、行送りを[28H」にすると、テキストはグリッドにそろわず、行送り[28H」になります。 |
つまり、グリッド揃えが[なし]以外の場合、文字パネルで行送りを設定しても、 InDesignは 強制的にテキストをグリッドにそろえる、ということです。行送りが[フレームグリッド設定]よりも広い場合は、1行アキにして、グリッドにそろえます。
▶グリッド揃えとフォントサイズの関係
下の図は[フレームグリッド]の設定が、フォントサイズ「24Q」、行送り「36H」の文字組です。
フォントサイズを変えてみました。
【注意】 | フレームグリッドの場合、[フレームグリッド設定]の行送りが「36H」でも、[文字パネル]の行送り値(赤枠内) は[自動行送り]を示す「括弧付き数字=(24H)」になります。 |
① | 青い文字のフォントサイズを「36Q」にしました。フォントサイズが大きくなっても、テキストはグリッドにそろっています。 |
② | 青い文字のフォントサイズを「36.1Q」にしました。「0.1Q=0.025mm」大きくしただけなのに、2行取りになっています。 |
これには規則性があります。グリッド揃えが[仮想ボディの中央]の場合、フォントサイズが「フォントサイズ24Q+行間12H=36Q」よりも大きくなると2行取りになります。
【注意】 | グリッド揃えが[仮想ボディの中央]以外の場合、および後述する[行送りの基準位置]が[仮想ボディの中央]以外の場合は、計算式が異なります。 |
▶行送りの絶対値指定
下の図は、文字パネルでフォントサイズを「24Q」に、行送りを[自動]ではなく、右の図の赤枠内のように絶対値「36H」に設定した文字組です。
行送りを絶対値で指定した場合、版面を超えなければ、フォントサイズを大きくしてもテキストがグリッドにそろいます。
ただし、この場合も、絶対値で指定する行送りが[フレームグリッド]の行送り値と同じか、狭くなければなりません。
絶対値で指定する行送りが[フレームグリッド]の行送り値よりも広いと2行取りになってしまいます。
絶対値で指定する行送りが[フレームグリッド]の行送り値よりも狭い場合は、絶対値の行送り指定を無視し、フレームグリッドの行送り「36H」のグリッドにそろいます。
また、フォントサイズが大きすぎて版面からとびだしてしまう場合も、2行取りになります。
③ | 青い文字のフォントサイズを「160Q」と大きくしましたが、グリッドにそろっています。青い文字が版面の内側に収まっているからです。 |
④ | 青い文字のフォントサイズが「96.1Q」で、版面の初めの3行分のスペース「96H」よりもわずか「0.1Q」大きいため、2行目に青い文字を配置すると版面右端から「0.05Q」とびだしてしまいます。そのため2行取りになっています。 |
⑤ | 青い文字は、フォントサイズが「24.1Q」ですが、1行分のスペース「24H」より大きいので、 版面右端から「0.05Q」とびだしてしまいます。そのため2行取りになっています。これが2行目にある場合は、版面からとびださないので、グリッドにそろいます。 |
【補足】 | 上記 ④ の3行分のスペースの計算のしかたは「行送り36H×行間数2+フォントサイズ24Q=96H」です。 |
▶1行目のみグリッドに揃える
[1行目のみグリッドに揃える]は、本文の途中で改行して、フォントサイズなどを変えてテキストを配置する場合に便利な機能です。本文中の注釈などに使用します。
① | [1行目のみグリッドに揃える]にチェックが入っていない場合は、青い文字のフォントサイズを小さくして、行送りを変えても、グリッドにそろってしまいます。 |
② |
[1行目のみグリッドに揃える]にチェックを入れると、青い文字の1行目がグリッドにそろい、2行目以降も青い文字の指定どおりにフォントサイズや行送りなどが変わります。 しかし、青い文字を改行すると、フォントサイズや行送りなどは指定どおりですが、改行した行はグリッドにそろってしまいます。 |
③ | 青い文字の2段落目を1段落目に続けたい場合は、2段落目の青い文字のグリッド揃えを[なし]に設定します。 |
●行末を揃える
[行末を揃える]は、テキストの行長をできるだけ均等にする機能です。テキストを選択して[行末を揃える]にチェックを入れると、行の長さができるだけそろうように字詰めを調整します。
ただし、[文字揃え]が[左/上揃え][中央揃え][右/下揃え]でなければ機能しません。また、コンポーザに[単数行コンポーザ]を設定している場合も機能しません。
あまり使うことのない機能なので、 BOOKHOUSEでは、 デフォルトのままチェックをはずしています。
●段落行取り
2行以上の見出しを、3行取りなどに設定する機能です。ここでは、2行の見出しを、3行取りにする方法を説明します。
① 複数行の見出しを作成する場合でも、見出しは1行で作成します。 |
② 見出し行を選択して段落パネルで「行取り3」に設定します(右図参照)。 |
③ 見出しの改行箇所にカーソルをいれて、【shift+return】で強制改行、またはメニューバー[書式→分割文字の挿入→ 強制改行]を選択します。 |
④ 見出しの1行目が[両端揃え]になっているので[天/左揃え]に設定します。 |
|
⑤ |
これで完成です。 ただ、注意してほしいことがあります。[段落行取り]に設定するときは、見出し行の[行送りの基準位置]を、かならず[仮想ボディ中央] 以外にしてください。[仮想ボディ中央]にすると、下の図のように不要なアキができてしまいます。 |
●コンポーザー
[コンポーザー composer]は「構成者」や「調停者」という意味です。
InDesignの[コンポーザー]には、以下の6つのコンポーザーが用意されています(上図「段落パネルメニュー」参照)。
① Adobe多言語対応単数行コンポーザー
② Adobe多言語対応段落コンポーザー
③ Adobe日本語単数行コンポーザー
④ Adobe日本語段落コンポーザー
⑤ Adobe欧文単数行コンポーザー
⑥ Adobe欧文段落コンポーザー
あたりまえのことですが、 日本語の文字組では、[Adobe日本語単数行コンポーザー]または[Adobe日本語段落コンポーザー]を使用します。[日本語単数行コンポーザー]と[日本語段落コンポーザー]の違いについて、Adobeのサイトでは以下のように説明されています。
「単数行コンポーザ」は、どこで改行するかの判断を1行単位で行っています。 それに対し、
「段落コンポーザ」では改行位置を段落単位で決定しており、極端に字間のアキが広い行がないよう、各行のアキをできるだけ均等にしようと調整を行います。そのため、テキストの追加や修正を行うと、段落単位で再調整が行われ、修正をした行よりも前の行であっても、改行位置が変わるケースがあるのです。
字間のアキのばらつきをなくすためには、「段落コンポーザ」の使用がお勧めですが、修正個所よりも前の行のチェックを行わないワークフローをとっていると、戸惑う原因になる場合もありますので、その場合には「単数行コンポーザ」を使用するとよいでしょう。
[日本語単数行コンポーザー]と[日本語段落コンポーザー]の違いについて具体的に説明してみましょう。
下の図の左側[日本語段落コンポーザー]の場合、青い文字「もっとも」を漢字「最も」に修正すると、その前の行の改行位置が変わってしまします。1行目の最後の文字「たち」が「た」だけになっています。
右側の[日本語単数行コンポーザー]の場合は、改行位置が変わりません。ただ、修正した2行目の字間が、ややパラケているようにも思います。
どちらがいいかは意見がわかれるところでしょう。BOOKHOUSEでは、原則的に[日本語単数行コンポーザー]に設定し、字間がパラケてしまう場合は、[日本語段落コンポーザー]を試しています。
●行送りの基準位置
下の図は本文のフォントサイズが「24Q」で、行送りが「50H」の見本組みです。青い文字だけが「71Q」になっています。
[仮想ボディの上/右]や[仮想ボディの下/左]は、いちばんフォントサイズが大きい「71Q」を基準に配置されるため、「24Q」の文字が左や右にずれてグリッドにそろいません。
ちなみに[欧文ベースライン]は、 右の図のように欧文の「ベースライン」を基準にテキストが配置される設定です。日本語の文字組ではほどんど使いません。
●ジャスティフィケーション
[ジャスティフィケーション]は、おもに欧文の組版で使用し、単語間隔、文字間隔、グリフ幅の拡大や縮小を詳細に制御する場合に使用します。設定値が[最小][最適][最大]とあり、字間調整が必要ない場合は[最適]に、字間調整が必要な場合は[最小]と[最大]のあいだで調整します。おもに欧文の文字組で使用すると説明しましたが、日本語にも適用されます。
BOOKHOUSEでは、下の右側の図のように[単語間隔]をやや狭く変更しています。
単語間隔 |
ワードスペーシング(wordspacing)のアキ量を設定します。たとえば「the book」などの「the」と「book」のあいだのスペースです。 単語間隔は0%から1000%のあいだで指定します。100%が標準のアキです。 ワードスペーシングは、むかしは「emの1/3=33%」ぐらいだったそうですが、最近では詰める傾向(下限12%程度)にあるそうです。 InDesignの標準的なワードスペーシングは、ざっと測定したところ、30〜33%でした。 BOOKHOUSEでは、InDesignのデフォルトよりも詰めて、「最小70%/最適90 %/最大100%」に設定しています。 |
文字間隔 |
たとえば「box」の「bとo」や「oとx」の間隔を設定します。日本語の文字組の[字送り]と似てますね。 この文字間隔は、トラッキングやカーニングで字詰めした箇所も、同じ比率で字間が調整されます。 -100%から500%のあいだで値を設定でき、0%が標準の文字間隔です。0% にすると文字の間にアキが挿入されません。いわゆるベタ組になります。 adobeのサイトには「100%に設定すると文字間に文字と同じ幅のアキが挿入されます」とあります。BOOKHOUSEで試したところ、欧文の場合、文字間に半角のスペースを入れた状態と同じになりました(下図「文字間隔を変更」の見本組参照)。 和文の場合は、300%に設定すると文字の間に文字と同じ幅のアキが挿入され、いわゆる全角アキになります。 |
グリフ幅拡大/縮小 | 文字の幅を設定する機能です。グリフ(Glyph)とはフォント1文字ごとの「字形」のことです。グリフ幅は50%から200%のあいだで指定します。100%が標準のグリフ幅です。下の図をみればわかると思いますが、グリフ幅を拡大すると、変形で[平体]をかけたようになります。 |
上記以外に[ジャスティフィケーション]では[自動行送り][文字揃え][コンポーザー]も設定できます。
[プレーンテキストフレーム]と[フレームグリッド]では[自動行送り]のデフォルト値が違います。新規ドキュメント作成のときにできる[プレーンテキストフレーム]の場合は「175%」、[横組み/縦組み文字ツール=T字アイコン]などで作成する[フレームグリッド]の場合は「100%」に設定されます。
左の図はデフォルトの[レイアウトグリッド設定]のダイアログです。クリックして大きくしてみてください。
赤枠内の行間が「9.75H」になっています。
この行間は[プレーンテキストフレーム]の自動行送り値「175%」をもとに算出されています。レイアウトグリッド設定のフォントサイズが「13Q」ですから、「13Q×175%
=行送り22.75H」、つまり「行送り22.75H
−13Q=行間9.75H」になるわけです。
175%というのは、文字組で一般的に使われる行間「二分四分アキ」をもとにしています。それ以外の行間を多く使う場合は、アプリケーションデフォルトとしてジャスティフィケーションの[自動行送り]を変更しておきます。
●段落分離禁止オプション
下の図のように、ページの最後1行前に「見出し」があり、訂正で1行増えた場合、通常ならページの最後に見出しがきてしまいます。でも、ページの最後(または段の最後)に見出しがくるのは組版ルールに違反するので、見出しごと次のページに送らなければなりません。その場合、見出し行に[段落分離禁止オプション]を設定しておくと、見出しが自動的に次のページ(または次の段落)に送られます。
【補足】 | ページや段の最終行に「見出し」がくることを印刷業界では一般に「首吊り」といいます。 |
見出し行を選択し、[段落分離禁止オプション]
の[次の行数を保持]に「1」と設定しておきます。すると、訂正で1行増えたときは、段末にくるはずの見出し行が次の段に送られます。
ただし、見出し行を[段落パネル]で2行取りにしている場合、かつ段落の先頭に「段抜き見出し」がある場合は、段落冒頭にきた見出し行が2行取りになりません。
と、説明はしましたが、BOOKHOUSEでは、あまり使うことのない機能です。
●段抜き見出し
段抜き見出しを作成する場合は、新規ドキュメント作成時に、[プライマリテキストフレーム]にチェックを入れておきます(右図の赤枠内)。すると、
マスターページとドキュメントページにテキストフレームが作成されます。
下の右側の図のように、プライマリテキストフレームを使用しないで新規ドキュメントを作成した場合、テキストを流し込むと、上下の段が連結した状態になります。この場合は[段抜き見出し]になりません。
それでは具体的に[段抜き見出し]を作成してみましょう。
まず、下の左側の図の「見出し行」を選択します。今回は見出し行を「2行取り」にします。
つぎに[段落パネル]のパネルメニュー[段抜きと段分割]を選択します。
パネルメニュー[段抜きと段分割]を選択すると[段抜きと段分割]ダイアログが表示されます。左の図の赤枠内の三角形をクリックするとサブメニューが表示されます。[段落レイアウト]に[段抜き]を、段抜きする段数に[2]を選択します。
[段抜き]は[段落パネル]だけでなく、[コントロースパネル]でも設定できます。段抜きにするテキストを選択して、下の図の赤枠内の三角形をクリックしてください。
これで[段抜き見出し]の完成です。
●段分割
つぎに[段分割]を作成してみましょう。
下の左側の図のグレーの文字を右側のように2段組にします。ついでに、行頭を1字下げに、行末を1字上げに設定します。また、段分割の前後の行間をあけて5行取りにします。
まず、グレーの文字を選択します。今回は段分割をする前後の行間を1/2行アキにするので、段分割する行の[グリッド揃え]を[なし]に変更します。この[グリッド揃え]を[なし]に変更するのを忘れないでください。[なし]以外だと、グリッドにそって1行アキになってしまいます。
また、行送りが[自動]になっている場合は、段分割する段落の行送りを[絶対値指定]にしておいてください。
つぎに[段落パネル]のパネルメニュー[段抜きと段分割]を選択します。[段抜きと段分割]ダイアログが表示されます。
ここからが設定です。
[段落レイアウト]の左側にある三角形をクリックして[段分割]を選択します。
[分割する段数]は、2段組ですから、「2」
に設定します。
今回は段分割をする前後の行間を1/2行アキにするので、[段落前のアキ」と[段落後のアキ」に「2
.875mm」と入力します。1/2行アキの計算式は「行送り23H÷2=11.5H=2.875mm」です。
[段落間の間隔(段間)]は、本文のフォントサイズ「13Q」の2字分「6.5mm」に設定します。ただし、計算上は13Qの2字分ですから「13Q×2字分=26H=6.5mm」なのですが、InDesignは長さをポイント単位で内部処理しているため、ミリ単位で指定すると、2字分以上のアキが生じてしまうことがあります。今回もそうです。ですので[プレビュー」にチェックをいれて確認し、段間が指定どおりにならなかったら「0.01mm」程度ずつ、段間の数値を調整します。今回は「6.49mm」にしました。
[フレームとの間隔(行頭の字下げと行末の字上げ)]も同じで、天地に1字アキを作るなら、計算上は「13Q÷4=3.25mm」です。ですが、フレームとの間隔を「3.25mm」にすると、1字以上のアキができてしまいます。ですので、これも[プレビュー」にチェックをいれて、1字下げになる「3.24mm」にしました。
これで完成です。