［環境設定の変更］でも簡単にふれましたが、InDesignの［デフォルトの設定］には、大きくわけると［アプリケーションデフォルトの設定］と［ドキュメントデフォルトの設定］の２つがあります。

▶［アプリケーションデフォルト］は、InDesignのもっとも基本となる設定で、すべての新規ドキュメントに対して適用されます。工場出荷時のInDesignには、adobeが作成したアプリケーションデフォルトが用意されています。
このサイトで提案しているのは、最初に、そのadobeのアプリケーションデフォルトをカスタマイズすることです。［ドキュメントデフォルト］は、そのカスタマイズしたアプリケーションデフォルトをもとに作成します。

▶［ドキュメントデフォルト］は、原則的にそのドキュメントだけに適用される設定で、すでに作成したファイルや新規ファイルには適用されません。ですから、たとえば新しい禁則処理の設定をあるドキュメントで作成した場合、その禁則処理は、それを作成したドキュメントだけに保存されます。別のドキュメントを開けて、その作成した禁則処理を適用しようとしても、作成したドキュメントから呼び込まないかぎり設定できません。

アプリケーションデフォルトを変更するときは、ドキュメントを開いていない状態で設定します。ドキュメントを開いた状態で設定すると、ドキュメントデフォルトになってしまします。

ドキュメントデフォルトは、現在開いているドキュメントだけに適用される設定で、下記のようにドキュメントを開いている状態で設定します。

ただし、ドキュメントを開いた状態で設定した場合でも、アプリケーションデフォルトになってしまう場合があります。たとえば［環境設定→一般→ページ番号→表示］は、ドキュメントデフォルトとして変更しても、それがアプリケーションデフォルトになってしまうのです。つまり、ドキュメントを開いた状態で変更した場合、アプリケーションデフォルトになる項目と、ならない項目があるということです。

すべての設定を工場出荷時に戻したい場合は、【commannd＋option＋sift＋control】キーを押しながら、InDesignを起動します。 下図のメッセージが表示されますので、［はい］をクリックして初期化します。

環境設定をリセットしたい場合は、環境設定ダイアログが開いている状態で、［option］キーを押すと、［キャンセル］というボタンが下図のように［リセット］というボタンに変わります。それをクリックしてください。
ただし、このリセット機能は、工場出荷時の状態に戻るのではなく、その時点でくわえた変更をリセットする（前回、環境設定を変えて、環境設定ダイアログを閉じた時点の状態に戻る）だけです。また、表示されているパネルの設定がリセットされるだけで、ほかの設定はリセットされません。

手動で設定を初期化する場合は、「InDesign Defaults」ファイルと「InDesign SavedData」ファイルのファイル名を変更または削除します。「InDesign Defaults」と「InDesign SavedData」は以下の場所にあります。

InDesign SavedData ユーザー/[ユーザー]/ライブラリ/Caches/Adobe InDesign/Version [バージョン]/InDesign SavedData
InDesign Defaults ユーザー/[ユーザー]/ライブラリ/Preferences/Adobe InDesign/Version [バージョン]/InDesign Defaults

「InDesign Defaults」と「InDesign SavedData」のファイル名を変更または削除した場合、つぎに InDesign を起動すると、自動的に「InDesign Defaults」と「InDesign SavedData」が新しく作成されます。