よく使うフォント(書体)とフォントサイズ(文字の大きさ)をアプリケーションデフォルトとして設定しておくと、新規ドキュメントを作成するときに便利です。
●フォントとフォントサイズをアプリケーションデフォルトに設定
▶フォントの設定
InDesignを開けて、ドキュメントを開いていない状態で、メニューバー[書式→フォント]にカーソルをおくと、左の図のようなフォントリストが表示されます。そのなかからフォントを選択します。BOOKHOUSEは「リュウミンProR-KL」に設定しています。
▶サイズの設定
フォントサイズをアプリケーションデフォルトに設定するには、ドキュメントを開いていない状態で、メニューバー[書体→サイズ]にカーソルをおきます。すると左の図のようなサイズリストが表示されます。そのなかからフォントサイズを選択します。
BOOKHOUSEは「13Q」に設定しています。
▶コントロールパネルで設定
フォントやフォントサイズは、コントロールパネルでも設定できます。ドキュメントを開いていない状態で、ツールパネルの[横組み/縦組み文字ツール=T字アイコン]を選択し、コントロールパネルでフォントやサイズを設定します。
[コントロールパネル]は、[ツールパネル]で選択したアイテムによって表示項目が変化するので、かならず[横組み/縦組み文字ツール=T字アイコン]を選択してからフォントやフォントサイズを設定してください(コントロールパネルの表示項目の変化については「パネルの説明」を参照してください)。
●ドキュメントを新規作成するときの設定をアプリケーションデフォルトに
上の左側の図は、メニューバー[ファイル→ドキュメント設定]で表示されるのダイアログです。
右側の図は[レイアウト→レイアウトグリッド]で表示されるのダイアログです。
いずれもデフォルトの設定です。この[ドキュメント設定]と[レイアウトグリッド設定]を、普段よく使う設定に変更(下記の[ドキュメント設定]と「レイアウトグリッド設定]を参照)し、アプリケーションデフォルトとして設定しておきましょう。
▶ドキュメント設定
BOOKHOUSEでは、[ドキュメント設定]のページサイズを「カスタムページサイズの追加]で作成した「四六判_130×188mm」に変更、印刷可能領域(著者や編集者へのコメントなどを記す領域) を「20mm」に変更しています。
▶レイアウトグリッド設定
[レイアウトグリッド設定]は下記のように変更しています。
① 組み方向……縦組み
② フォント……A-OTFリュウミンPro R-KL
③ サイズ………13Q
④ 行間…………10H
行文字数と行数、および天と小口のアキも普段よく使う設定に変更しています。
ちなみに[レイアウトグリッド設定]の行間の初期値は、文字サイズが「13Q」の場合、「9.75H」
です。この初期値は、「デフォルトの設定→段落パネル→ジャスティフィケーション」のプレーンテキストフレームの設定値[自動行送り=175%」をもとに算出されています(13Q×175%−13Q=
9.75H)。
なお、この[レイアウトグリッド設定(アプリケーションデフォルト)]を変更すると、[フレームグリッド設定(アプリケーションデフォルト)]も変更されます。
同じ字種なのに「字体」が異なる文字があります。右の図の「辺」などは、そのいい例でしょう。これを「異体字」といいます。
字体と似た言葉に「字形」があります。字形は、その言葉どおり「字」の形、フォントに近い意味です。ただ、このふたつは、かなりあいまいに使われているようです。
まあ、言葉の意味はそれほど重要でないのですが、異体字には悩ましい問題があります。
はじめに[異体字]の設定方法から説明します。
まず、メニューバー[書体→段落スタイル]をクリックして、[段落スタイルパネル]を表示させます。つぎに、段落スタイルのサイドメニュー[詳細文字形式]を選択して、[異体字]の右横にある三角形をクリックします。すると、下の図のように、いろいろな字体の分類一覧が表示されます。
BOOKHOUSEでは、上記の「異体字」のなかから、[印刷標準字形]または[JIS78字形]をアプリケーションデフォルトに設定しています。しかし、[印刷標準字形]または[JIS78字形]のどちらに設定しても、多くの場合、校正でアカが入ります。
下の図をみてください。ほんの一部ですが[印刷標準字形」と[JIS78字形]を比較してみました。
たとえば「葛飾区」の「葛」は[印刷標準字形」が正しい字形ですが、「葛城市」は[JIS78字形]が正しい字形です。「祇園」の「祇」は示偏の[JIS78字形]が正しい字形です。「鰯」は特殊な場合を除いて[印刷標準字形」が使用されます。「顛倒した思想」の「顛」は[JIS78字形]が正しい字形です。「異体字には悩ましい問題がある」と言ったのは、この点です。どちらに設定しても、多くの場合、校正の段階でアカが入るのです。