カバーは、束見本をモノサシで測って版下を作ることもできますが、コピー用紙などでカバーのダミーを作り、それを束見本にかけて、その実測を基に版下を作ったほうがより正確です。
下のカバーの版下図をクリックすると大きくなります。
表紙の天地は「194.5mm」でしたが、カバーは、それよりも「0.5mm」大きくとります。表紙と同じ天地にすると、カバーから表紙が 0.1mmから0.2mmほどでてしまいます。
194.5mm+0.5mm=195mm
表紙の背幅「21mm」と同じにします。
束見本の実測で「133.5mm」でした。
計算上は以下のようになります。
四六判は「130×188mm」ですから、本文の左右は「130mm」です。それにチリの幅が小口側1箇所に「3mm」つきます。さらにカバーの紙の厚さ約「0.5mm」を加算します。
130mm+3mm+0.5mm=133.5mm
カバーの「折り返し(そで)」の長さは決まっているわけではありません。自由に決めることができます。BOOKHOUSEでは「75〜100mm」にしています。用紙の左右に余裕がある場合は、できるだけ長めにしたほうがカッコいいと思いますが、長すぎるとカバーがかけづらくなります。
表1や表4に写真や図版などを配置する場合は、折り返しガイドよりも3〜5mmほど外に伸ばして配置してください。折り返しガイドぴったりに配置すると、カバーをかけたとき、白(地の色)がでてしまう可能性があります。
四六判やA5判のカバーは、一般的に「四六全判」や「B列本判」の紙に印刷します。取数は「6面」です。通常、紙を半分に断裁(半裁)して3面付で印刷します。
もし、それでは入らなかったら「菊判タテ目」にします。菊判は「4面」になります。
「表紙の用紙と取数」のページでも説明しましたが、上記の取数の図版には、後述「面付の基礎知識→面付」のページで説明する「クワエ(四辺のどこか一辺に10mmから12mm程度の余白)」が入っていません。また、これも後述「面付の基礎知識→ドブとクワエ」のページで説明しますが、実際に面付するときは、上記の図版のように6分割や4分割したスペースの中央に面付するのではなく、外トンボ(仕上がり寸法の3mm外)同士をくっつけるように面付するので、全体の面付面積が狭くなります。
ISBNは「International Standard Book Number 国際標準図書番号」の略称です。このISBNを基準に、日本では「日本図書コード」を設定しています。
「日本図書コード」は上記の2行で構成されています。1行目が「ISBNコード」で、2行目が「書籍の分類記号=Cコード」と「価格コード=本体価格表示」です。
ISBNコードは、ISBNとハイフンを除いて、13桁の数字で構成されています。接頭記号「978」は、この記号が表示されている商品が「BOOKS」であることを示しています。国記号「4」は「日本」を示しています。出版社記号は、出版社を識別する記号です。2桁から7桁までの記号が各出版社に割りふられています。ちなみに、出版社記号「00」は、岩波書店です。
この出版社記号が2桁だと、6桁の書名記号が使え、より多くの書籍を出版することができます。単純計算すると、6桁の書名記号をもつ出版社(出版社記号が2桁の出版社)は、最高で99万9999点の書籍が出版できるわけです。上の図のように出版社記号が6桁の出版社だと、2桁の出版点数、最高で99点の書籍しか出版できないことになります。
最後のチェックディジットは、13桁のISBNが正確かどうかを検査するための数字です。一定の計算式でチェックディジットが決まるのですが、ここでは説明を省略します。チェックデジットを自動的に計算してくれるサイト「日本図書コード管理センター」もあります。
通常、日本図書コード(ISBN・Cコード・価格コード)は、出版社が決め、バーコードとともにデザイナーにデータが提供されます。
「日本図書コード」と「バーコード」は、「右綴じ・右開き(縦書き)」の書籍のときはカバーの右側に、「左綴じ・左開き(横書き)」の書籍のときはカバーの左側に配置します。表記位置は「日本図書コード管理センター」で以下のように決められています。図版をクリックして大きくしてください。
バーコードの横にある「版元名」と「定価表示」は、出版社によってさまざまなかたちがあります。表示する位置もばらばらです。版元名をいれない出版社もあります。
「定価」と表示するのは「再販商品(出版者が小売価格を指定する商品)」の場合です。「非再販商品」は、「本体価格」や「価格」とし、「定価」と表記しません。
「ISBNコード(書籍JANコード)」には、上記以外にも、さまざまな取り決めがあります。詳しくは「日本図書コード管理センター」の「ISBNコード/日本図書コード/書籍JANコード利用の手引」や「日本書籍出版協会」の「消費税率変更に伴う措置等について(ガイドライン)2019」を参照してください。
【注意】 | 「書籍JANコード利用の手引」に「刷面にデザインなどで地色や絵柄がある場合は、規定に従って白地の窓あけをしてバーコードを印刷してください」とありますが、地色が赤色の場合、白マドをあけなくても、バーコードは読み込めるようです。金色や銀色など光沢がある用紙に印刷した場合は、バーコードが読み込めないことがあります。携帯電話に「バーコード読み取り機能」がついている機種があるので、それで確認することもできます。 |