欧文スペルチェックは、すべてのテキスト、またはテキストの範囲を選択して、欧文単語のスペルが正しいかどうかをチェックする機能です。
●検索
▶ミススペル単語
このオプションにチェックが入っていると、言語辞書にない単語が検索されます。
▶反復後
このオプションにチェックが入っていると、「the the book of Nature」の「the the」のように重複した単語が検索されます。
▶小文字の単語
このオプションにチェックが入っていると、「Germany」のように言語辞書に大文字で登録されている単語が小文字「germany」になっている場合、チェックすべき単語として検索されます。
▶小文字の文
このオプションにチェックが入っていると、ピリオド、感嘆符、および疑問符の後に、小文字で始まる単語が続いている場合、ミススペルとして検索されます。
●ダイナミックスペルチェック
▶ダイナミックスペルチェックを有効にする
このオプションにチェックを入れると、ミススペルの可能性がある単語に下に波線がひかれ、
コンテキストメニューを使用してスペルエラーを修正することができます。コンテキストメニューは、領域を選択して、[control]キーを押しながらクリックすると表示されます。
右の図で説明すると、ミススペルを示す波線がついた「is」を選択して[control]キーを押しながらクリックすると、正しい単語の候補が表示されます。そのなかから正しい単語をクリックするとテキストが修正されます。
ただし、ダイナミックスペルチェックは、テキストの言語に関連づけられた辞書に基づいて検索されるので、たとえば「germany」をチェックする場合、文字パネルの[言語]が「日本語」になっていると検索されません。「英語:米語」などにする必要があります。
▶下線カラー
ミススペル単語、反復後、小文字の単語、小文字の文の下線カラーを指定します。
●オプション
▶自動修正を有効にする
このオプションにチェックを入れると、入力と同時に小文字の誤用や、その他の一般的な入力ミスを修正することができます。 ただし、[自動修正]を有効にするには、その下の[言語]の枠内にある[ミススペル言語]のリストに、ミススペルと正しいスペルのリストを作成する必要があります。
▶キャピタリゼーションエラーの自動修正
小文字の誤用(「Germany」ではなく「germany」と入力するなど)を修正する場合に、[キャピタリゼーションエラーの自動修正]にチェックを入れます。キャピタリゼーションエラーの場合は、大文字で開始する単語を[ミススペル言語]のリストに追加する必要はありません。
●言語・ミススペル単語
言語ポップアップメニューから自動修正を適用する言語を選択します。
よくミススペルする単語を追加するには、ミススペル単語のリストの下にある[追加]をクリックして、ミススペル(たとえば「cansel」など)と、正しいスペル(たとえば「cancel」など)を入力し、
[OK]をクリックします。
追加したミススペル単語を削除する場合は、リストから対象の単語を選択して[削除]を選択してから、[OK]をクリックします。
ミススペル単語を修正する場合は、対象の単語を選択して[編集]をクリック、修正して[OK]をクリックします。
注釈機能についてAdobeCommunityHelpでは次のように説明しています。
「注釈は主に InCopy ワークフロー用ですが、 InDesign でも利用できます。たとえば、後でストーリーに挿入するテキストを注釈として追加できます。」
つまり、あとで挿入するテキストや、参照用のテキストを見えないかたちで保存しておく機能です。
BOOKHOUSEでは、この注釈機能はほとんど使いませんが、簡単に注釈機能の使いかたを説明しておきます。
右上の図を大きくしてみてください。まずテキストを[注釈]として保存(変換)する方法を説明します。右上の図の「あいうえお」のあと、白黒反転している「注意」という文字を選択して、ヘッドメニュー[書式→注釈→注釈モード]、または[書式→注釈→注釈に変換]をクリックします。すると、「注意」という文字が消えて、そこに[注釈アンカー]が挿入されます。これで「注意」という文字が[注釈アンカー]の位置に保存されました。
その注釈アンカーを選択して、ヘッドメニュー[ウィンドウ→編集関連→注釈]で[注釈パネル]を表示させると、注釈として保存した文字が表示されます。
注釈に設定した文字をテキストに戻すときは、[注釈アンカー]を選択したまま、[書式→注釈→テキストに変換]をクリックします。 上の図では[テキストに変換]がグレー表示になっていますが、
[注釈アンカー]を選択すると、黒く変化してクリックできるようになります。
注釈に設定した文字は「ストーリーエディター」 でも表示されます。ストーリーエディターでは、 右の図のように表示されます。これをInDesignでは[注釈ブックエンド]と呼んでいます。
●オプション
▶注釈のカラー
ポップアップメニューから[注釈アンカー]および[注釈ブックエンド]のカラーを選択します。
[ユーザーカラー]を選択すると、[ファイル→ユーザー]で開く[ユーザーダイアログボックス]
で指定したカラーが使用されます。
▶注釈ツールヒントを表示
このオプションにチェックが入っていると、レイアウトビューでマウスポインタが[注釈アンカー] の上を移動するときや、ストーリーエディターで[注釈ブックエンド]の上を移動するときに、注釈情報と注釈の内容のすべて、または一部がツールヒントとして表示されます。
▶ストーリーエディター内の注釈・注釈内容をスペルチェックの対象として含める
このオプションにチェックが入っていると、注釈の内容をスペルチェックの対象として含めることができます。ただし、ストーリーエディタ内でのみ有効です。
▶ストーリーエディター内の注釈・注釈内容を検索/置換操作の対象として含める
このオプションにチェックが入っていると、注釈の内容を検索と置換の対象として含めることができます。ただし、ストーリーエディタ内でのみ有効です。
▶ストーリーエディター内の注釈・インライン背景カラー
ストーリーエディタ内の[注釈ブックエンド]の背景カラーを[なし]または上記[注釈のカラー] で設定したカラーのどちらかに設定します。
このオプションにチェックが入っていると、テキストに加えた変更を記録(トラック)し、ストーリーエディターに表示することができます。ただし、レイアウトビューでは、トラックを表示できません。
それでは具体的にこの機能について右の図のようなテキストで説明してみます。
まず、右の図のテキストの適当な位置に文字ツールのカーソルをいれます。
つぎに[ウィンドウ→編集関連→変更をトラック]をクリックすると[変更トラックパネル]が表示されます(右図参照)。
[変更トラックパネル]の右上にある小さな三角形をクリックして、パネルメニューを表示させます。そのパネルメニューの一番上[現在のストーリー内の変更をトラック]を選択します。
変更トラックパネルの一番左上にあるアイコン(赤丸枠内のアイコン)をクリックしても[現在のストーリー内の変更をトラック]が選択できます。
現在のテキストフレーム内のストーリーだけでなく、ドキュメントすべてのテキストの変更をトラックしたい場合には、パネルメニューから[全ストーリーでトラックを有効にする]を選択します。 ただし、[全ストーリーでトラックを有効にする]は、ドキュメント内にテキストフレームが2つ以上ないと、グレー表示されて選択できません。
それでは実際にテキストを変更してみます。
①「不吉」……「■■」に変更
②「焦燥と云うか」…… 削除
③「酒」……「ウヰスキー」に変更
④「が」と「来た」のあいだ ……「やつて」を挿入
ヘッドメニュー[編集→ストーリーエディターで編集]をクリックしてストーリーエディターを表示すると、変更した部分に背景カラーが表示され、削除したテキストおよび変更した元のテキストに打ち消し線が表示されます。
変更したテキストを修正するには、まずストーリーエディターで変更したテキストを選択します。すると、変更のトラックパネルに、変更したユーザ、日時、変更内容が表示されます。修正するには、左図の赤枠内のアイコンをクリックして、変更を取り消したり、変更を適用したりします。
赤枠内のアイコンの意味は、左から[前の変更][次の変更][変更を適用][変更を取り消し][ストーリーに対するすべての変更を適用][ストーリーに対するすべての変更を取り消し]です。
●表示
追加されたテキスト、削除されたテキスト、移動されたテキストのカラーとマークを設定します。
[ユーザーカラーの重複を防ぐ]にチェックを入れると、ユーザーごとに異なるカラーが割り当てられるようになります。BOOKHOUSEではあまり使っていない機能ですが、たとえば「初校」と「2校」
で、カラーを変えて訂正入力をしてもいいかもしれません。
●変更バー
このオプションにチェックが入っていると[変更バー]が表示されます。その下の[変更バーに使用するカラーメニュー]で色を、[場所]で左右どちらに表示するかを指定します。
●削除したテキストをスペルチェックの対象として含める
このオプションにチェックが入っていると、削除したテキストも[欧文スペルチェック]の対象になります。
ストーリーエディターは、MacOS の「テキストエディット」や「Jedit」などのようにテキスト編集に特化したエディターで、[段落スタイル]などの適用もできる InDesign専用のエディターです。
ストーリーエディターを開くときは、テキストフレームを選択し、メニューバー[編集→ストーリーエディターで編集]をクリックします。ショートカット【command ⌘+Y】でも、ストーリーエデイタとレイアウトヴューを切り替えることができます。
レイアウトヴューでは、オーバーセットテキスト(フレームに収まりきらないテキスト)は表示されませんが、ストーリーエディターでは、オーバーセットテキストも含めて、ストーリーのすべてのテキストが表示されます。 フレームに収まりきれないテキストは、[オーバーセットテキストインジケーター]に表示されます(下図参照)。
●テキスト表示オプション
テキスト表示オプションは、ストーリーエディターで使用するフォント、フォントサイズ、行間隔、 テキストカラー、背景色などを設定します。この設定は、ストーリーエディターの表示だけを設定するもので、レイアウトには影響しません。
▶アンチエイリアスを使用可能にする
[アンチエイリアスを使用可能にする]にチェックが入っていると、文字のエッジのジャギーが滑らかになります。 [タイプ]は、[LCD最適化][弱い]または[デフォルト](グレーの影でテキストを滑らかに表示)のいずれかに設定します。
adobe社のサイト「InDesign/テキストの編集」によると、LCD最適化とは「テキストを滑らかに表示するのに(デフォルトと違い)グレーの影ではなくカラーを使用する」ため、 画面の「背景色が明るくテキストが黒のときに最適」とあります。
●カーソルオプション
カーソルを挿入したときの形状を設定します。[点滅]にチェックを入れると、カーソルの挿入点が点滅します。